●撮影方法で変わる魚の発色
     (=インチキ画像にご注意ください)

少し前までは一眼レフカメラとマクロレンズ無しでは撮影不可能といわれてきた水槽撮影も、最近では
デジタルカメラの進歩によって誰にでも比較的簡単に行なえるようになりました。しかしその反面、撮影方法による見え方の違いを軽視した画像が増え、特にWebの世界では通常ではありえない色彩をした魚達の画像が氾濫しています。
そういった画像も趣味の範囲でならばある程度許されるかもしれませんが、生体の通販も一般化してきた昨今「イメージ画像と送られてきた商品との色彩が違う」等のような問題も引き起こされている現状を考えると、商売として使用する場合には自主規制も必要だと思います。
しかしこの不景気の中では販売側の意識改革は望めないでしょうから、購入側が冷静に判断する事が最善の方法となるでしょう。




■例1
ここで、Ap.アガシジィ “カレイロ” ワイルド個体 を例にして解説します。
(もちろん紹介する画像は同一個体を同じ日に撮影したものです。)


(1)水槽飼育下では通常このように見えるはずです。
通常水槽飼育されている魚を観賞する時は、主に上方からの光の反射による発色を見る事になります。ただ通常の場合は真っ暗な室内に設置という事は少ないでしょうから横方向からも若干光があたります。
それを考慮した上で通常観賞時に見られるであろう色彩に近い発色で撮影しお伝えする為に、上方からのフラッシュを主体とし、横方向からのフラッシュは間接的にあたるように控えめに照射しています。



(2)横方向からのフラッシュを多めにすると反射によって発色部位が広がります。
横方向からのフラッシュの反射でキレイには見えますが、見る人が見れば不自然さは一目瞭然でしょう。このように見えないかといえば、そのような事はありませんが、室内光の反射で一瞬目にするかどうかという色彩ですから、これが通常時というような紹介では問題があります。


(3)上方からのフラッシュを無くすと更に発色部位が広がります。
上方のフラッシュを無くすか極端に減らす事でギラツキ感を強調できますが、ここまでやってしまうと誰が見ても不自然なのはお解かりいただけるでしょう。設備等の問題でやむをえずこのような手法で撮影した魚の画像を紹介しなければならない場合、その旨を書き添えると同時に「横方向からライトで照らすとこんな感じにも見えます」程度の注釈は必要でしょう。



ショップが販
売する魚を紹介する際は(1)のような撮影によって自然な発色を再現するように心掛けなければなりません。
撮影する際に(2)や(3)のように誇張したい気持ちもわかりますが、素人さんがご自分のHPで自慢の魚を紹介するだけならともかく、ショップが商品紹介として使って良い手法ではありません。

この他にも近距離からの照射によって細かい部分の発色を鮮明にするという手法もありますが、あまりにも恥ずかしい画像になるので、とりあえずここでは省略させていただきます。体全体が妙に白っぽく艶っぽく光りますので不自然に感じられる画像を注意深く観察すればそれと気が付くと思います。

コンディション良く整った魚の画像からならば、角度によってどの程度の発色が期待できるかが自然と感じ取れるものです。つまりは誇張した画像を撮影使用する事はコンディションや素質をごまかす為に他なりません。その為の横方向からのフラッシュ強化は最も陳腐な手法といえます。





■例2
Ap.ビタエニアータ “マナキリ” (ブルータイプ)


↑通常時に近い状態

↑前方フラッシュ強化でヒレの青さが強調されている状態


■例3
キティテトラ


↑ヒレの赤い黄色いカラシンで皆さんにもお馴染みの魚です。

↑斜め上からのフラッシュによって黄色い魚が金色の魚に変身します。

↑横方向からフラッシュ照射するとビカビカです。こうなるとフォローのしようがありません。


■例2
ラピステトラ


↑淡いブルーの発色が魅力のラピステトラ、角度によってはもう少し青くも見えますが・・・

↑横方向からフラッシュ照射するとかなり青いです、でも通常こうは見えません。






ここまでに紹介したような、横方向からのフラッシュ重視の撮影方法は何もWebの世界に限った事ではなく、専門を語るような誌面でも最近は珍しくなくなってきました。
別にキレイに撮れれば良いじゃないかと思われる方も多いでしょうが、生体の観賞を楽しんでいただく事を生業にしている立場としては、このような手法によるインチキ画像ともいえるものには警鐘を鳴らしたいと思います。

実際派手に見えるように撮影するのは簡単です。しかし私は見た目の派手さにとらわれない「リアル」に近い画像で勝負したいと考えています。
というと聞こえが良いですが、インチキ画像に惹かれて購入した人に「横からペンライトで照らせば画像のように見えますよ」なんて恥ずかしい いい訳はしたくないですから・・・本音はただそれだけの事です。

あくまで見え方についてのお話で、RGBとCMYKの違いを含めた細かい部分にまで言及するつもりはありませんのでご了承ください。



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